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厚生労働省のガイドラインから学ぶ!副業・兼業に関する10問チャレンジ

2024.10.09 168
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厚生労働省のガイドラインから学ぶ!副業・兼業に関する10問チャレンジ

近年、日本社会では「人生100年時代」という言葉が示すように、人々が長期にわたって働き続けることが想定されるようになってきました。

 

こうした社会の変化の中、労働者一人ひとりが自身のキャリアプランを主体的に描き、長い職業人生を通じて多様なスキルや経験を積むことへの関心が高まっています。

 

副業・兼業は、このような時代の要請に応えるものとして、労働者に新たな収入源やスキルアップの機会を提供するだけでなく、企業にとってもイノベーションの創出や人材の流動化を促進する効果が期待されています。

 

一方で、副業・兼業には、労働時間の管理や健康確保、企業秘密の漏洩といった課題も存在します。これらの課題を解決し、労働者と企業双方にとってメリットのある副業・兼業を促進するため、厚生労働省は「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を策定しました。

 

本記事では、ガイドラインの内容をより深く理解するために、10問の問題を作成しました。ぜひ取り組んでみてください。

 

副業・兼業希望者増加の背景

問題

副業・兼業を希望する労働者が増加している背景には、どのような社会的変化がありますか?

 

選択肢

a.少子高齢化が進み、企業が人材不足を補うために副業・兼業を積極的に認めるようになったため。

b.終身雇用制度が崩壊し、労働者が自身のキャリアを主体的に考え、複数の収入源を確保しようとするようになったため。

c.インターネットやテクノロジーの進化により、場所や時間に縛られずに働ける環境が整ってきたため。

d.人生100年時代を迎え、個人が長い職業人生の中で、様々なスキルや経験を積むことへの意識が高まっているため。

 

ヒント

ガイドラインでは「人生100年時代」というキーワードと、副業・兼業が「オープンイノベーションや起業の手段」として有効であるという記述が見られます。これらの記述から、どのような社会的変化が読み取れるでしょうか?

 

答え

d.人生100年時代を迎え、個人が長い職業人生の中で、様々なスキルや経験を積むことへの意識が高まっているため。

 

解説

ガイドラインでは「人生100年時代を迎え、若いうちから、自らの希望する働き方を選べる環境を作って いくことが必要であり、副業・兼業などの多様な働き方への期待が高まっています。」と述べられています。

 

これは、単に収入増加だけが目的ではなく、長い職業人生を見据え、様々なスキルや経験を積むことで、自身の市場価値を高めたいという意識の変化を示唆しています。
また、ガイドラインでは「副業・兼業は、新たな技術の開発、オープンイノベーション、起業の手段や第2の人生の準備として有効」とも述べられています。

 

これらのことから、副業・兼業希望者増加の背景には、 人生100年時代 という社会変化、そしてそれに伴う個人のキャリアプランに対する意識の変化が大きく影響していると考えられます。

企業が副業・兼業を認めるべき理由

問題

企業が副業・兼業を認めるべきであるとされる主な理由は何ですか?

 

選択肢

a. 人材不足が深刻化しているため、副業・兼業を認めることで優秀な人材を確保するため。

b. 従業員のモチベーション向上やスキルアップを期待し、結果的に企業の業績向上につなげるため。

c. 政府が副業・兼業を推進しており、企業イメージの向上や法令遵守の観点から認めるため。

d. 副業・兼業を通じて従業員が新たな事業を創出し、将来的に企業の新たな収益源となることを期待するため。

 

ヒント

ガイドラインでは、企業が副業・兼業を認めるメリットとして、どのような点が挙げられていますか?

 

答え

b. 従業員のモチベーション向上やスキルアップを期待し、結果的に企業の業績向上につなげるため。

 

解説

ガイドラインでは「【企業】 メリット: ① 労働者が社内では得られない知識・スキルを獲得することができる。 ② 労働者の自律性・自主性を促すことができる。 ③ 優秀な人材の獲得・流出の防止ができ、競争力が向上する。 ④ 労働者が社外から新たな知識・情報や人脈を入れることで、事業機会の拡大につながる。」と記載されています。

 

つまり、企業は副業・兼業を認めることによって、従業員のスキルアップや人脈形成などを促進し、結果として企業全体の活性化や競争力強化、事業機会の拡大による業績向上につなげることを期待していると言えるでしょう。

 

副業・兼業を行う際の労働者の義務

問題

副業・兼業を行う際に、労働者が注意すべき義務にはどのようなものがありますか?

 

選択肢

a. 社会貢献活動への参加義務

b. 副業・兼業先の企業理念遵守義務

c. 本業における秘密保持義務

d. 副業・兼業による所得の全額納税義務

 

ヒント

ガイドラインでは、企業が副業・兼業を認める際の留意点として、どのような点が挙げられていますか?労働者側の視点からも考えてみましょう。

 

答え

c. 本業における秘密保持義務

 

解説

ガイドラインでは、企業側の対応として、副業・兼業を認める場合でも「秘密保持義務」に関する懸念への対応が必要であるとされています。 具体的には「就業規則等において、業務上の秘密が漏洩する場合には、副業・兼業を禁止又は制限することができることとしておくこと」「副業・兼業を行う労働者に対して、業務上の秘密となる情報の範囲や、業務上の秘密を漏洩しないことについて注意喚起すること」などが求められています。

 

これは、労働者が副業・兼業を行う際、本業で得た業務上の秘密を副業・兼業先で漏洩してしまうリスクを企業が懸念しているためです。労働者は、副業・兼業を行う際も、本業における秘密保持義務を遵守しなければなりません。

 

副業・兼業を行う労働者の労働時間管理

問題

企業は、副業・兼業を行う労働者の労働時間をどのように管理する必要がありますか?

 

選択肢

a. 副業・兼業を行う労働者に対して、労働時間の自己申告を求めるだけでよい。

b. 副業・兼業先の労働時間については、企業は関与する必要はない。

c. 本業と副業・兼業先の労働時間を合計し、法定労働時間を超えないように管理する必要がある。

d. 副業・兼業を行う労働者に対して、フレックスタイム制や裁量労働制を適用することで、労働時間の管理を簡略化できる。

 

ヒント

労働基準法では、労働時間に関する規定について、事業場が異なっていても通算するように定められています。

 

答え

c. 本業と副業・兼業先の労働時間を合計し、法定労働時間を超えないように管理する必要がある。

 

解説

労働基準法第38条第1項では、「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する。」と規定されています。 これは、労働者が複数の企業で働く場合、それぞれの企業での労働時間を合計して、法定労働時間を超えないように管理する必要があることを意味しています。

 

つまり、企業は、従業員が副業・兼業を行う場合、副業・兼業先での労働時間も含めて、法定労働時間を超えないように管理する義務があります。具体的には、従業員からの労働時間の申告などを通じて、副業・兼業先での労働時間を把握し、自社の労働時間と合わせて適切に管理する必要があります。

労働時間管理の際に企業が確認すべき事項

問題

労働時間管理の際に、企業が労働者から確認すべき事項には、具体的にどのようなものがありますか?

 

選択肢

a. 副業・兼業先の企業理念や就業規則

b. 副業・兼業を行う上での労働者の意気込みや将来設計

c. 副業・兼業先の事業内容や労働時間、契約期間

d. 副業・兼業による労働者の健康状態の変化やストレスの度合い

 

ヒント

企業は、労働時間の通算や適切な労務管理を行うために、労働者からどのような情報を事前に得ておく必要があるでしょうか?

 

答え

c. 副業・兼業先の事業内容や労働時間、契約期間

 

解説

ガイドラインによると、企業は副業・兼業を行う労働者から、以下の情報を申告等により確認することが望ましいとされています。

 

・基本的な確認事項

  ◦ 副業・兼業先の事業内容

  ◦ 副業・兼業先で労働者が従事する業務内容

  ◦ 労働時間通算の対象となるか否かの確認

 

・労働時間通算の対象となる場合に確認する事項

  ◦ 副業・兼業先との労働契約の締結日、期間

  ◦ 副業・兼業先での所定労働日、所定労働時間、始業・終業時刻

  ◦ 副業・兼業先での所定外労働の有無、見込み時間数、最大時間数

  ◦ 副業・兼業先における実労働時間等の報告の手続

  ◦ これらの事項について確認を行う頻度

 

これらの情報を確認することで、企業は労働時間を通算し、法定労働時間を超えないよう管理することが可能となります。また、副業・兼業の内容や契約期間を把握することで、本業への支障や労務提供上の問題が生じる可能性についても事前に検討することができます。

 

「管理モデル」の概要とメリット

問題

「管理モデル」とはどのようなもので、どのようなメリットがありますか?

 

選択肢

a. 労働者が副業・兼業を行う際に、労働時間や業務内容を自由に設定できるモデル。

b. 企業が副業・兼業を行う従業員に対して、業務成果に応じて報酬を支払う成果報酬型のモデル。

c. 副業・兼業を行う労働者の労働時間を、あらかじめ設定した上限の範囲内で管理するモデル。

d. 企業が副業・兼業を行う従業員に対して、健康診断やストレスチェックなどの健康管理を義務付けるモデル。

 

ヒント

「管理モデル」は、企業が副業・兼業を行う従業員の労働時間を管理する上で、どのような方法を採用しているのでしょうか?

 

答え

c. 副業・兼業を行う労働者の労働時間を、あらかじめ設定した上限の範囲内で管理するモデル。

 

解説

ガイドラインによると、「管理モデル」とは、副業・兼業を行う労働者の労働時間について、企業があらかじめ上限を設定し、その範囲内で労働させる方法です。

 

具体的には、本業を行う企業Aと副業・兼業先である企業Bの双方で、労働時間の合計が過剰にならないよう、それぞれの企業で労働時間の上限を設定します。 そして、企業Aにおける法定外労働時間と企業Bにおける労働時間の合計が、1か月あたり100時間未満、複数月平均で80時間以内となるように調整します。

 

「管理モデル」のメリット としては、企業側・労働者側双方にとって以下の点が挙げられます。

・企業:労働時間管理の手間が軽減される。

・労働者:労働時間の通算による法定労働時間違反のリスクを減らすことができる。

 

従来の労働時間管理では、企業は副業・兼業先の実労働時間を把握する必要がありましたが、「管理モデル」では、あらかじめ設定した上限時間内であれば、企業は副業・兼業先の実労働時間を把握する必要がなくなり、管理の手間が軽減されます。

 

一方、労働者にとっても、あらかじめ上限時間を設定することで、労働時間の通算による法定労働時間の超過を意識しながら働くことができ、違反のリスクを減らすことに繋がります。

 

副業・兼業を行う労働者の健康管理

問題

企業は、副業・兼業を行う労働者の健康管理について、どのような対応をすべきですか?

 

選択肢

a. 副業・兼業を行う労働者に対して、健康診断の受診を義務付ける。

b. 副業・兼業を行う労働者に対して、健康管理は自己責任で行うように伝える。

c. 副業・兼業を行う労働者ともコミュニケーションを取り、健康状態を把握するよう努める。

d. 副業・兼業を行う労働者の健康管理は、副業・兼業先の企業に任せる。

 

ヒント

企業は、労働者の健康を守るために、法律でどのような義務を負っていますか?また、副業・兼業を行う労働者に対して、企業はどのように配慮すべきでしょうか?

 

答え

c. 副業・兼業を行う労働者ともコミュニケーションを取り、健康状態を把握するよう努める。

 

解説

ガイドラインによると、企業は労働安全衛生法に基づき、労働者の健康確保措置を実施する義務があります。これは副業・兼業を行う労働者についても同様です。
具体的な対応としては、以下の点が挙げられます。

・健康状態の把握: 企業は、副業・兼業を行う労働者とコミュニケーションをとり、長時間労働になっていないか、健康状態に問題がないかなどを把握するよう努める必要があります。

・自己管理の指示: 労働者に対して、健康を保持するために、労働時間や休養を適切に管理するよう指示する必要があります。

・相談しやすい環境づくり: 労働者が心身の不調を感じた場合に、すぐに相談できるような環境を整えておくことが重要です。

・必要に応じた措置: 副業・兼業の状況を踏まえ、必要に応じて、法律で定められた以上の健康確保措置を講じることも考えられます。 例えば、時間外労働や休日労働の免除、産業医への相談などです。

 

副業・兼業を行う労働者は、複数の企業で働くため、労働時間が長くなりやすく、健康を害するリスクも高まります。企業は、労働者の健康状態に注意し、適切な対応をとる必要があります。

 

副業・兼業を行う労働者が健康的に働くために

問題

副業・兼業を行う労働者が、健康を害することなく、安心して働き続けるためには、どのような点に注意すべきですか?

 

選択肢

a. 副業・兼業を行う場合は、本業の会社に報告する必要はない。

b. 健康管理は、すべて本業の会社と副業・兼業先の会社の責任で行われる。

c. 副業・兼業を始める前に、健康診断を受けておけば、健康管理は十分である。

d. 自ら労働時間や健康状態を管理し、本業の会社にも状況を報告することが大切である。

 

ヒント

副業・兼業を行う労働者は、複数の企業で働くため、労働時間が長くなりやすく、健康を害するリスクも高まります。自分自身の健康を守るためには、どのような意識と行動が必要でしょうか?

 

答え

d. 自ら労働時間や健康状態を管理し、本業の会社にも状況を報告することが大切である。

 

解説

ガイドラインによると、副業・兼業を行う労働者は、自身の健康を守るために以下の点に注意する必要があるとされています。

・労働時間と健康状態の自己管理: 就業時間が長くなる可能性があるため、労働者自身が、自身の業務量や進捗状況、労働時間、健康状態を管理する必要があります。

・企業への報告: 企業による健康確保措置を実効あるものにするために、副業・兼業先の業務量や自身の健康状態等について、企業に報告することが有効です。

 

複数の仕事をすることは、収入やスキルアップなどの面でメリットがある一方で、体調管理の責任はより大きくなります。 企業と協力しながら、自身の健康を守り、安心して働き続けられるようにすることが大切です。

労災保険の改正点

問題

労災保険の給付に関して、近年の法改正ではどのような点が変更されましたか?

 

選択肢

a. 労災保険の給付対象者を、副業・兼業を行う労働者にも拡大した。

b. 労災保険の給付額の算定に、本業の賃金だけでなく、副業・兼業先の賃金も合算するように変更した。

c. 労災保険の保険料を、副業・兼業を行う労働者自身も負担するように変更した。

d. 労災保険の申請手続きを、オンラインでも行えるように変更した。

 

ヒント

近年の法改正では、副業・兼業を行う労働者が増加している現状を踏まえ、労災保険のあり方も見直されました。どのような変更が行われたのでしょうか?

 

答え

b. 労災保険の給付額の算定に、本業の賃金だけでなく、副業・兼業先の賃金も合算するように変更した。

 

解説

ガイドラインによると、労災保険の給付額は、従来は災害が発生した就業先の賃金のみを元に算定されていましたが、法改正により、非災害発生事業場の賃金も合算して算定するように変更されました。 これは、複数就業者が安心して働ける環境を整備するための変更です。また、労災認定についても、複数就業者の就業先の業務上の負荷を総合的に評価して行うように変更されています。

 

選択肢a. については、労災保険は、労働者の就業形態にかかわらず適用されるため、法改正以前も副業・兼業を行う労働者は給付対象に含まれていました。選択肢c.、d. については、ガイドラインの情報からは変更があったとは断定できません。

 

副業・兼業と雇用保険・社会保険

問題

雇用保険や社会保険の適用範囲は、副業・兼業を行うことでどのように影響を受けますか?

 

選択肢

a. 副業・兼業を始めると、すべてのケースで雇用保険・社会保険の適用がなくなる。

b. 副業・兼業を始めると、本業の雇用保険・社会保険に加えて、副業・兼業先でも新たに加入手続きが必要になる。

c. 副業・兼業を行う場合でも、それぞれの雇用条件に応じて、雇用保険・社会保険の適用が判断される。

d. 副業・兼業を行う場合は、本業と副業・兼業先のどちらか一方の雇用保険・社会保険を選択して加入する必要がある。

 

ヒント

雇用保険や社会保険は、労働者を保護するための重要な制度です。これらの制度は、どのような条件で適用されるのでしょうか?副業・兼業を行う場合は、それぞれの制度の適用要件を満たしているかどうかに注意する必要があります。

 

答え

c. 副業・兼業を行う場合でも、それぞれの雇用条件に応じて、雇用保険・社会保険の適用が判断される。

 

解説

ガイドラインによると、雇用保険や社会保険の適用範囲は、副業・兼業を行うこと自体で一律に変わるわけではなく、それぞれの雇用条件に応じて判断されます。

 

雇用保険

・原則としてすべての事業に適用されますが、以下の場合は適用除外となります。

  ◦ 1週間の所定労働時間が20時間未満の場合

  ◦ 継続して31日以上雇用されることが見込まれない場合

・複数の事業主に雇用されている場合は、原則として主たる賃金を得る雇用関係についてのみ適用されます。

・ただし、令和4年1月からは、65歳以上の労働者については、複数の事業所の労働時間を合算して雇用保険を適用する制度が開始されています。

 

社会保険(厚生年金保険・健康保険)

・事業所ごとに適用要件が判断されます。

・複数の事業所で就労していても、それぞれの事業所で適用要件を満たさない場合は、労働時間などを合算しても適用されません。

・複数の事業所で就労し、それぞれの事業所で適用要件を満たす場合は、いずれかの事業所の社会保険を選択し、報酬月額を合算して保険料が決定されます。

 

つまり、副業・兼業を行う場合は、それぞれの事業における労働時間や雇用契約の内容に応じて、雇用保険や社会保険の適用が判断されます。

 

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